一番の難題 

2019年07月19日
 実は我が家は、借地の上にある。
 
 47年くらい前に地元の地主と賃借の契約を結んだ。
 
 今まで地代を滞納したことはなく、最初から目立った契約違反があるわけでもない。
 
 それなのに、相手の地主は、こちらからの話し合いの申し出を全て拒否した。
 
 それどころか。
 
 父親が亡くなった年の暮れには、うちへ怒鳴り込んできて、恫喝まがいのことまでやった。
 
 地主の彼はその場で、貸した土地の返還を促した。
 
 はっきり言って、ありえない。
 
 同じように借地に家を建てて暮らしている方なら、共鳴できるだろう。
 
 地主が土地の返還に一言でも触れるなら、借主は必ず動揺する。
 
 よほどの話でない限り、軽々に口にしてはいけない言葉のはずだ。
 
 もちろん、それを言って許される状況があったわけではない。
 
 例えその状況があったとしても、こちらに敬意を払わない不遜な態度を許していいはずがない。
 
 そして、その言葉を口にするなら、終わりへ向けての話し合いを開始するのが筋、というものだろう。
 
 だが、彼ははっきりと土地の返還に触れながら、今でも平気で地代を受け取り続けている。
 
 うちと話し合いをする意思など、微塵も感じられない。
 
 彼がどういう意図だったのかは分からない。
 
 ただ現実に、また彼が怒鳴り込んでくるのでは、という強い恐怖が芽生えた。
 
 普通に暮らしていたら体験することのないその恐怖心が、やがて家族を壊すことになる。
 
 以前から借地の事実は聞き及んでいたが、まさかこんな非常識な男が相手だとは思わなかった。
 
 間違いなくこれが、うちで一番の難題だ。
 
 筆者のみならず、祖父や父親もこの件で苦しめられていたと思うと、ぞっとする。
 
 相手には、良心も良識もないらしい。
 
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Posted by くろねこ  at 04:17 │家を守る