一般的なケースだと

2019年12月10日
 これまで記事をたくさん書いてきたけど。
 
 大事なことが抜けていた。
 
 それは、他の、一般的なケースについて。
 
 土地を借りて、そこに家を建てて暮らすケースは、別に珍しいものではない。
 
 ある時期に流行って、すたれた。
 
 我が家が最初に契約を結んだのが、その流行の最中だった。
 
 戦後の高度成長期。
 
 経済発展と共に増える住宅ニーズに応えるため、ある意味、やむを得なかった面はある。
 
 こういう住み方しかできない人は、一定数いる。
 
 その事実はあるにせよ、実際には、強引なやり方で借りさせられたケースも少なくなかっただろう。
 
 現代より、はるかに地主の力が強い時代。 
 
 まだまだ人権意識が希薄だった時代。
 
 弱い者が一戸建てを持つには、少しくらいの我慢も、処世術の一つだった。
 
 が、それはもう今は昔。
 
 様々な失敗やトラブルの積み重ねによって、そんな借り方、貸し方をする人は激減した。
 
 早い話、旨味がないから。
 
 税金の面では安いように見えるが、立ち合いとか相談、苦情、督促など、意外と仕事が多い。
 
 もちろん、長期に渡って土地が返ってこないことにも不安がある。
 
 経済成長によって、物価や土地の値段が急速に高騰したから、余計だった。
 
 個人の家なんかより、もっといい儲け話があったのに・・・
 
 みたいな事例があっても、簡単に土地を返してもらえるわけがなく。
 
 悔しい思いをすることは、多々あっただろう。
 
 こんな感じだから、本人が亡くなった時点で見直しが行われるのは、必然。
 
 貸主、借主、双方が膝を交えて話し合い、今後どうするかを決めなくてはいけない。
 
 これが、大変。
 
 想像力が互いに欠如していた契約時とは、なにもかも違う。
 
 突き付けられるのは、全て実体験に基づくリアルだ。
 
 もはや誤魔化しは通用しない。
 
 見直しが行われれば、契約解消なんてざらだろう。
 
 少なくとも、以前と同じ条件を維持できるとは考えにくい。
 
 そうなる要因は様々だが、これだけは言える。
 
 土地貸しをするに当たって、決定的に知識と想像力が欠けている。
 
 ただ、その場所に土地を持っていただけ。
 
 それだけで土地を貸して、地代を手にすることができる。
 
 地主の特権、という奴だ。
 
 残念ながら日本は、そんな無意味な価値観に縛られた社会。
 
 これだけ技術が発達した現代でも、基底に潜む人々の意識は変わっていないと見たほうがいい。
 
 だから、あの時代が特殊だったわけではない。
 
 自然に生まれて、増えて、やがて減少していっただけ。
  
 多くの例が、その潮流に乗ったものだと考えられる。
 
 うちの場合も、同じだった。
 
 だが、最初から対話に応じない姿勢のところは、さすがに少ないはずだ。
 
 いくら強引な地主がいても、一代で終わりにするのが普通。
 
 双方で当事者が亡くなっても見直しができないなんて、完全に異常事態だ。
 
 一般的なケースを考えると、余計それが鮮明になる。
 
 


 
 
 
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Posted by くろねこ  at 12:56 │家を守る